2017年7月8日土曜日

オジサンが成仏する道

ボクは「オジサン」が好きじゃない。
「オバサン」はそれほどでもないのに、
「オジサン」はどういうわけか肌が合わないのである。
以下、ランダムにオジサンたちの〝きらいなところ〟を挙げてみる。

愛想がない
オジサンはたいがい仏頂面をしている。つまり顔を外部に対して閉じている。
「俺にむやみに話しかけるんじゃない」という顔をしている。司馬遼太郎の
エッセイにも同じようなことが書いてあった。中国人の顔は外に向かって
開いているが、日本人の顔は閉じていると。が、オープンな顔もたまにはある。
ボクが話しかけるのはオープンな顔の持ち主だけ。仏頂面のオジサンなど
「目障りだ、あっちへ行け!」である。

社畜そのもの
長い間、会社に飼いならされていると、だんだん〝社畜化〟してくる。
名刺に部長だとか〝長〟の字がつくと、自分はひとかどの人物ではないか、
と勘違いしてしまう。相手が名刺を見てペコペコするのはあなたの会社に
対してであって、あなた個人に対してではないのですよ。ああ、それなのに、
定年後もその思いを引きずっていて、大学名や会社名を聞き、自分の経歴
より下と見ると、途端に傲岸不遜な態度をとる。
「俺はあんたの家来じゃないよ! あっちへ行け!」

ジロジロ見つめる
子供が「この人、危ない人かも」と見知らぬオジサンをジーッと観察する、
というのはよくあるが、オジサンやオジイサンも同じ行動をとる。すれ違う際に、
相手の顔をジーッと眺めまわすのだ。欧米的なマナーからすると、完璧に
bad-mannerといえるもので、見られる側は不快になる。歳をとると子供に
還ってしまうのか、子供は赦せるがオジサンたちは赦せない。
「なにジロジロ見てるんだよ! あっちへ行け、この野郎!」←豊田真由子風に

定年後は濡れ落ち葉
定年後のオジサンは奥方のそばにまとわりつく濡れ落ち葉そのもの。
スーパーの買い物についてはくるが、主導権は奥方が握っているから、
酒のつまみひとつ自由に買えない。で、所在無げにトボトボあとをついてゆく。
給料運搬人の役割を終えたオジサンに対しては、積年の怨みがあるのだろう、
奥方はひどく冷たい。心の奥で、「この人さえいなければ気楽でいいのに」
なんて思っている。「月給取りを廃業した男に用はない、あっちへ行け!」
家庭を顧みなかった社畜の末路なんてこんなものだ。

ファッションがダサい
髪の毛が薄くても年齢相応に服装がバッチリ決まっていれば、
「このハゲ――――ッ!」と罵られることはない。いわゆる
ダサい中年オジサンのかっこうをしていると、奥方から、
「お前はどれだけあたしの心を叩いている!
これ以上、私の評判を下げるな!」←これも豊田真由子風に絶叫する
と強烈な左パンチが飛んでくるかもしれない。
「ダサいかっこうのオジサンは、あっちへ行け!」

話がつまらない
オジサンの話は総じてつまらない。シンブンガミや週刊誌ネタの流用で、
教養を感じさせる話はほとんどできない。ボクもバカっ話ばかりしているから、
それはそれでいいのだが、できればシリアスな話にも対応できる素養がほしい。
ゴルフの話なんか聞きたくないし、巨人軍がどうしたこうした、も聞きたくない。
「中身のない話を垂れ流すオジサンたちは、あっちへ行け!」

朝日シンパが多すぎる
特に団塊の世代('47~'49)はリベラルを気取るバカが多くて困る。
ボクのいう日本的リベラルとは、いい歳こいて、いまだにゲバ棒をふるって
いた時代が懐かしいのか、何かというと反体制や反権力を気取りたがる
薄っぺらな連中のことをいう。革新や改革を唱えるが口先だけで、今もって
崩壊した社会主義に対して言い知れぬ懐旧の情を抱いている。
「口先だけはリベラルを気取る偽善者どもめ、早くあっち(彼岸)へ行け!」

以上、思いつくままに挙げてみたが、
特に団塊の世代のオジサン(オジイサンか?)は、
もはや手のほどこしようがないくらいに浮いてしまっている。
戦後のGHQと日教組の洗脳教育の申し子と言ってしまえば、
なにやら可哀そうにも思えるのだが、あの尊大で居丈高な態度を見ると、
もう少し何とかならなかったものか、と彼らの不勉強ぶりを難詰したくも
なるのである。

オジサンはすべからくオバサンになるべし。
要はつまらぬ面子だとかプライドをかなぐり捨て、
裸の自分を出してみろってこと。もっと言えば、この大きな宇宙の中では、
自分はちっぽけな存在で、おまけに底抜けのバカなんだ、ということを
しっかり認識しろってことだ。

ボクは幾度となくこのセリフを繰り返しているが、
オジサンがめでたく成仏するにはそれしか他に道はない。
オジサンがオバサンに変身し、屈託ない笑顔を作れるようになれば、
自然とあなたの周りにトモダチの輪ができるだろう。



※追記
本日の夕方、フランス人留学生Lucas(ルカ)が来る。
15歳とまだ子供だが、身長(178㎝)は生意気にボクより1㎝高い。
フランス語以外に英語、ドイツ語をしゃべり、さらに覚えたての
日本語を少ししゃべるという。イケメンというので、長女がわざわざ
見に来るという。わが家の女どもはイケメンに超弱いのである。

※続・追記
Lucasはスレンダーなイケメンで、日本語能力はなかなかのもの。
〝あんこ〟が好きだというので、昨夜は水羊羹を食べさせたら、
うまいうまいと言いながらペロリと平らげてしまった。将来の夢は
パリ政治学院に入り外交官になることらしい。ここはシラクや
ミッテラン元大統領など歴代の大統領を輩出した超難関校。ああ、
それにしてもたった数カ月で、ここまで日本語を操れるものなのか。
10年以上英語を学んで、いっこうにしゃべれないわが身を省みて、
ちょっぴり恥ずかしさを覚えた。



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