2017年7月15日土曜日

飛んで火に入る夏のルカ

Lucas(ルカ)は茶目っ気のある子だ。いや、あり過ぎる。
昨日、スーパーの買い物につきあわせたら、野菜売り場で、
「お父さん、これ見てみて!」
というので振り向いたら、キュウリを股間にあてて上下にふっていた。

「ルカ、ナメコ茸は好き? ヌルヌルして気持ち悪いかもしれないけど、
これを豆腐といっしょに味噌汁に入れると旨いんだ」
ルカにお伺いを立てたら、
「ウン、好き。味噌も糞もいっしょだから。へへへ」
覚えたての言葉をさっそく使ってる。ただ使いかたが間違ってる。
とうとうわが家の味噌汁が糞汁にされちまった。

そうかと思うと、夕食を囲んでいるとき、いきなり、
「お父さん、アベノミクスは好き?」←意味わかってんのかねェ……
と訊いてきた。
「もちろん好きだよ。お父さんはアベ内閣を支持してるからな」
と答えてやったら、
「トランプは好き? ルペンは? プーチンは? メルケルは?」
とたたみかけてきた。
「トランプ? 少なくともヒラリーよりましだろ。ヒラリーはリベラルを
気取ってるけど、国務長官のときにリビアを攻撃させて、リビアやエジプトを
ぐちゃぐちゃにしてしまった張本人だからな。いまも無政府状態なのは
ヒラリーのせいさ。あいつの本性は(軍産複合体に支えられた)戦争屋なんだよ」
と言ってやったら、その辺の事情を少し分かっているような顔をしていた。

欧米の人間たちはメディアの多くがそうであるように、知的階層はみな
リベラルを標榜している。日本のリベラルとは少し趣を異にするが、
概ねリベラリストを気取っている。ボクも本質的にはリベラルだが、
彼らのいうところの薄っぺらなものとはちと違う。リアリズムという
(つち)で徹底的に叩き鍛えているからだ。

だから甘ちゃん特有の理想主義的な要素はいっさい消え失せている。
何がきらいといって、いい歳こいて夢見がちの瞳をしたリベラルな
甘ちゃんほどきらいなものはない。団塊の世代には、この手の甘ちゃんが
佃煮にするくらいウジャウジャいる。共通項は、朝日新聞愛読者で、
戦前の日本を悪しざまに言う自虐史観の持ち主ってこと。頭が悪いくせに、
いっぱし賢者を気取っているのだから始末に悪い。

「トランプ? ルペン? だ~い好きだよ。もう最高!」
ボクがおどけてこう答えてやると、ルカは少し困ったような顔をしていたが、
所詮、15歳の少年である。この年代の少年はボクがそうであったように、
正義をふりかざすリベラルな思想にかぶれやすい。自由で進歩主義的で、
弱者救済的な考え方を標榜するリベラリズムは、正義感あふれる青少年の
心をとらえやすいのだ。

チャーチルだったかディズレーリだったかが、こんなことを言ってるではないか。
20歳までに左翼に傾倒しないものは情熱が足りない。
20歳を過ぎてなお左翼に傾倒しているものは知能が足りない》と。
ついでに原文も載せておくとこうなる。
If you are not a liberal at 20, you have no heart. 
If you are not a conservative at 40, you have no brain
ちょっと訳語とは違うが、ニュアンスは同じだ。

「僕のホストファーザーはガチガチの極右でした」
もしかするとフランスの両親にそんなメールを送っているかもしれない(笑)。
ご両親の驚くまいことか。ヘヘ、面白いな。こうこなくっちゃネ。

フランス最難関の「パリ政治学院」をめざし、
将来は外交官になりたいというルカ。今のうちに
「リベラルはいかにダメか」について、たっぷり講義しておいてやろう。
ああ、ルカの運命やいかに……

←川越・氷川神社の風鈴イベント





photo by Ako

2 件のコメント:

  1. 嶋中労さま

    こんばんは。
    今日も酔っていますので、・・・。

    日本国って世界に誇れる国ですね。

    日本人って世界に誇れる人種ですね・

    日本語って世界で一番難しい言葉ですね。

    なぜ、日本人は世界と向き合わないのですかね。

    歴史は何を今の日本人に教えを説いているのでしょうか。

    我が家の平和のために寝ます。

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  2. 田舎者様
    寝言こいてないで、さっさと寝てください。

    修身斉家治国平天下であります。

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